【SVダブル S12最終450位】イバンカビゴン始動トリパ

 

はじめに

自己最高レート,自己最高順位を更新できたので記念に構築記事を投稿します。(最終レート1810, 最終順位450位)
普段構築記事を書くことが無いので筆がのって長くなってしまいました。ご容赦ください。
私はクソ雑魚のため頓珍漢なことばかり書いているかと思いますが、大目に見て頂けると幸いです。

構築概要



終結


構築経緯

 ORASトリプルバトルでニシノコウジさんなりきりパーティを使い、腹太鼓イバンカビゴンに可能性を感じる。しかし高火力先制技を防ぐ手立てが少ないORAS環境では腹太鼓イバンは厳しかったため、イエッサンという最高の相棒がいるSVダブルに場を移すことにした。
 当初は共演でA6段階上昇をコピーできるカラミンゴ入りの追い風パとしていたが、カビゴンと追い風の噛み合わせが悪すぎたためトリパに方針変更。トリルが貼れてイエッサンとの相性も良いグレンアルマ、攻撃面でグレンアルマとの補完に優れる霊獣ラブトロスを採用し、基本の4体()が決まる。残り2枠には何となく強そうな2体()を入れて完成。

 

個体解説

性格:ゆうかん
実数値:242(52)-178(252↑)-111(204)-×-130-31(↓)

A:特化
H:腹太鼓後にイバンを発動させるため偶数
HBD:H≒B+D

炎テラス:カミイーユイ,サーフゴーの高火力範囲技を耐えて腹太鼓できるようにするため

腹太鼓後の超火力が爽快。
岩雪崩で2体とも倒せることは稀だが、のしかかり,10万馬力であれば襷以外のあらゆるポケモンをワンパンで仕留めてくれる。

(以下腹太鼓後の火力)
Hぶっぱヒスイウインディに岩雪崩が148.5~175.2%
HB特化モロバレルにのしかかりが115.4~135.7%
Hぶっぱテツノカイナにのしかかりが102.3~120.7%

シーズン12のカビゴンの使用率は74位で,カビゴンのイバン採用率は7.3%とマイナーだったためか、腹太鼓イバンがあまり警戒されていないように感じた。
トリルの前にカビゴンが1体以上倒し残数を削ること、そしてカビゴンが相手を倒すターンに隣でトリルを貼ることで、トリルターン中に勝負を決め切れる展開が大きく増える。
イエッサンのサイコフィールドのお陰で,イバンが発動すれば確実に先制してくれるのが頼もしい。
炎テラス腹太鼓からのイバン岩雪崩で何度もカミイーユイを返り討ちにした。
シーズンを通して一度も岩雪崩を外さなかったばかりか、幾度も怯ませてくれた神ゴン。

 

性格:のんき
実数値:177(252)-×-127(244↑)-×-127(12)-81(↓)

HBD:ほぼHB特化

妖テラス:悪技での被ダメを減らすため

カビゴンにとっての最高の相棒。この指,サイコフィールド,トリルによってカビゴンを輝かせてくれた。最優秀助演女優賞をあげたい。
襷は偉かった。襷のお陰でテラスを切らずとも生き残ることができ、トリルを貼れたという場面が多々あった。
初手にイエッサンを出すと相手はトリルを防ごうとほぼ必ずイエッサンを殴る(集中してくることも多い)ため、守るが非常に効果的。
いつかの誰かの構築記事に「イエッサンの技構成はこの指,守るが確定で残り2枠を選ぶべきだと個人的に思う」という風に書かれてあった記憶が役に立った。
ほとんど妖テラスは切らなかったため、モロバレルの胞子耐性を付与できる草テラスでも良かったかもしれない。
癒しの波動は諸説枠。

 

性格:れいせい
実数値:191(244)-×-141(164)-173(100↑)-100-72(↓)

HB:いじっぱりパオジアンの噛み砕くを災いの剣込みで最高乱数切り耐え
HD:サイコシード発動状態でCブーストひかえめハバタクカミシャドーボールを最高乱数切り耐え

草テラス:水技,地面技の被ダメを減らす&モロバレルの胞子を無効化するため

上記のように驚異の耐久力を誇る。この耐久力に何度も驚かされ、そして助けられた。
それでいて合格点を超える火力オールウェイズ出してくれた。サイコフィールドがあるうちはグレンアルマのワイドフォースとラブトロスマジカルシャインで相手を粉砕できる。最終日は毎試合ゴリランダーが出てきてフィールドを張り替えてきたが、ワイドフォースの性能が落ちても熱風で十分火力を出せていた。
サイドチェンジは読まれにくく初見殺し的な性能があった。腹太鼓で削れたカビゴンをグラススライダーから守ったり、ラブトロスに飛んでくる氷技,鋼技を引き受けながら, グレンアルマ自身に飛んでくる悪技,地面技をラブトロスに受けてもらったり。

 

性格:れいせい
実数値:181(252)-×-130-205(252↑)-121(4)-45(↓)

最遅個体(!)
脳死HCぶっぱ

妖テラス:ムンフォ,マジシャのリーチを伸ばす&弱点を減らすため

こいつは本当に強かった。
フェアリー技の通りが良くCも高いため、相手をゴリゴリ削っていった。
想像の1.2倍増しの火力。(個人の感想です)

(以下妖精の羽根込みの火力)
H4振りランドロスマジカルシャイン(ダブルダメージ)が50.9~60.0%
H4振りハバタクカミに妖テラスムンフォが87.0~103.8%(乱数18.7%)
Hぶっぱ突撃チョッキゴリランダーに妖テラスムンフォが63.8~75.4%

C特化ヒードランのラスターカノンを確定で耐えるほど耐久も高く、モロバレルの胞子,怒りの粉も特性で無効。
「ズルい」とすら感じた。
「トリパはSに割く分の努力値を耐久に回せるため、火力も耐久も欲張れるのが強み」という言説を体現するポケモンだった。
毒や鋼にはフェアリー技が通らないが、それらには隣のグレンアルマが強いし,自身も大地の力で殴っていけるので気にならなかった。
シーズン12の使用率は107位だったらしい。厳選が大変だから使われていないという面もあるだろうが、もっと使われるべきだと思う。最遅個体を貸してくれた知り合いには感謝しかない。
強すぎて潜り始めてから何もいじらなかったが、持ち物はオボンの実など耐久を活かすものでもいいかもしれない。

性格:ゆうかん
実数値:261(252)-211(252↑)-129(4)-×-88-49(↓)

A:特化
HD:Cブーストひかえめハバタクカミ
のムンフォを確定耐え
HBD:チョッキでDが1.5倍だとするとH=B+D

炎テラス:フェアリー技での被ダメを減らすため

補完枠その1。
特筆すべきは圧倒的ステータスの高さ
弱点の特防をチョッキで補っているため穴が無く、トリルやテラスが無くとも相手と対等以上に殴り合ってくれた。
イエッサングレンアルマがいる自分の構築は悪タイプを誘いやすいため、補完枠としては最適だったと思う。

性格:ゆうかん
実数値:207(252)-205(252↑)-140-×-106(4)-49(↓)

脳死HAぶっぱ

妖テラス:耐性変更&トドロクツキ等の悪タイプをテラバーストで殴るため

補完枠その2。
初手に出されやすいトドロクツキ,サーフゴー,グレンアルマあたりに強い。
特にグレンアルマは高火力ワイドフォースで殴ってきてカビゴンの腹太鼓を許してくれないため、グレンアルマ入り構築には毎回ドドゲザンを出していた。
妖テラスすれば弱点も減るため、高火力高耐久,先制技を活かしてトリル無しでも有利に殴り合ってくれた。

 

選出と動かし方

基本選出

先発:
後発:

カビゴンは腹太鼓, イエッサンはこの指
カビゴンはイバンで上から相手を倒す, イエッサンorグレンアルマはトリルを貼る
③トリル下で高火力技連打

カビゴンが腹太鼓を積めそうな時はこの選出。
初手のイエッサンは守るやトリルを押すことも。

派生選出

先発:or +
後発:+刺さってるやつ

①高火力で殴る+イエッサンは守る,トリル,この指など
②高火力で殴る+隙を見てトリルを貼る
③トリル下で殴る

相手に範囲技持ちが多くカビゴンが腹太鼓を積めなさそう&相手の先発が読みやすい時はこの選出。
サーフゴー,グレンアルマ,トドロクツキが来そうな時はドドゲザンを、ラブトロスの方が初手で圧を掛けられそうな時はラブトロスを先発に据える。
初手イエッサンの守るが効果的。

耐久勝負選出

先発:
後発:

①高耐久を活かして殴り合いを挑む
②トリルを貼れたら貼り、後は耐久を活かして殴り合う

相手に範囲技持ちが多くカビゴンが腹太鼓を積めなさそう&イエッサンを出す価値が無さそうな時はこの選出。
高火力高耐久を誇る先発の2体が数的有利を作り出してくれることが多い。


選出と動かし方を3パターン紹介したが、この構築の核となる動きは2つしかない

①:1体が隣の負担を軽減させ、もう1体が価値の高い行動をする
②:並んだ2体が同時に価値の高い行動をし、どちらを防ぐかの2択を相手に迫る

(ここで言う価値の高い行動とは、素早さ操作,高火力攻撃,積み技など状況を大きく変えうる行動を指す)

まずは今回の構築で①にあたる行動の例を見ていく。

・イエッサンでこの指をしながらカビゴンが腹太鼓をする場合、これはカビゴンに向かうはずのダメージをイエッサンが軽減していることになる。
・腹太鼓後のカビゴンがイバンで上から1体以上倒しながら,イエッサンやグレンアルマがトリルを貼る場合、これはトリラーが受けるダメージをカビゴンが軽減していることになる。

このように価値の高い行動をするポケモンに掛かる負担を減らすことで、価値の高い行動が決まりやすくなり,安定的に自分の展開に持っていくことができる。

続いて今回の構築で②にあたる行動の例を見ていく。

カビゴンが腹太鼓をしつつ襷イエッサンがトリルを貼る場合、相手はせいぜい片方しか止められず,少なくとも一方の行動は通ることが多い。
・トリル下でグレンアルマとラブトロスが並んで高火力攻撃技を撃つ場合、少なくとも一方の攻撃は通り,相手に大きなダメージを与えられる。

このように並んだ2体が同時に価値の高い行動をすることで、少なくとも一方の行動が通り,その結果大きなマイナスを防ぐことができる。


自分が②を学んだのは眼鏡ニンフィアでハイボを撃ちながらトリルを貼るのを基本の動きとしていたSVダブルの構築記事で、①と②を学んだのはこの構築記事→ やけくそツインはらだいこ【ORASトリプル】 - かすてぃらいぶらりー だった。
これらを読んだ時には「世間の人はこんな理論で構築を組み,実際に動かしているのか」と驚いた。
それ以降は構築や立ち回りを見る時の意識が変わった。
思えば猫+トリルや壁+積み技は①だし、トリプルバトル猫騙し,ハイボ,追い風は①と②の合わせ技と言える。
自分は上記2つの記事があったおかげで意識が変わり、今回の結果を残せた。
構築記事を書き残してくださった方々に感謝したい。

 

あとがき(自分語り)

パデックさんのイエッサンカビゴンを握って、初めてダブルのランクマに潜ったのが2021年の6月頃。
その2年半後にイエッサンカビゴンで好成績(当社比)を残せたのは感慨深いです。

何が役に立つかわからないものですね。
勝ち負けを気にせず気楽に楽しめそうと思って始めたORASフリーのトリプルバトルで、ニシノコウジさんなりきりパーティというお遊びの構築を使ったら、腹太鼓イバンカビゴンの強さに気付くことができました。
SVダブルに全く潜っていない頃に娯楽として読んでいた構築記事が、「イエッサンの技構成には守るを入れるべき」と教えてくれました。
Twitterで回ってきてたまたま読んだ構築記事が、構築の組み方,動かし方の意識を変えてくれました。
クソ雑魚の自分でも、ふとしたきっかけから今回のような結果を残すことができた訳です。
いつも4桁,5桁で「どうせ俺は勝てない」と諦めていましたが、今回その無力感が少し晴れたような気がしています。

「なぜこの並びが,この動きが強いのか」等を論理的に説明する構築記事を読むたびに「自分もいつかこんな記事を書いてみたい!」と思っていました。今回の記事ではその真似事として、自分なりの理解をなんとか論理的に言語化しようと試みました。
長く稚拙だったとは思いますが、今回の記事がどなたかに何らかの影響を与えられたとしたら、それはこの上ない喜びです。

最後までお読みいただき本当にありがとうございました。



Special Thanks
  • 最遅ラブトロスという神個体を貸してくれた、AI
  • ランクマの話を聞いて応援してくれた、てんぺ
  • イバンの実を譲ってくれた、しホピ君
  • 構築記事を書き残してくれた、先人の方々
  • ダブル,トリプルの面白さを教えてくださった、パデックさん
  • トリプルの文化を支え,盛り上げてこられた、和澤ざわさん